シミとは?
皮ふの色素成分であるメラニンが、紫外線や炎症によって増産され、蓄積したものです。
本来は代謝(ターンオーバー)によって排出されるのですが、代謝の乱れで皮ふ組織内に取り残されてシミになります。
シミになる原因
①妊娠、出産、避妊薬の服用による女性ホルモンバランスの乱れ
②精神的なストレス
③過度のマッサージなどの刺激
④日焼け等、紫外線の影響
⑤加齢による代謝減退、老化
⑥内臓疾患の表れ
などがあげられます。
年代や生活習慣、食生活などで原因は異なります。
シミの種類と特徴
一般的にシミは数種類のタイプに分類されています。
皮膚科の医師の診断を受けることが、明確な対処につながります。
気になる症状がある方は、皮膚科の医師にご相談くださいね。
老人性色素班
色調は茶色~こげ茶色で、しみの境界は明瞭です。
表面はツルツルしていますが、一部にイボを伴うこともあります。
同じ部位に以前ニキビやかぶれ、やけどなどの炎症を起こしたことがあれば、同じ分布でも炎症後色素沈着の場合があります。
◎レチノイン酸やハイドロキノンが配合されたスキンケアで改善する場合もあります。
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肝斑
最初は頬骨のあたりに薄いしみが生じ、徐々に両方の頬に拡大します。
まぶたの皮膚には生じないことが特徴ですが、最終的には三日月のように眼のまわりを取り囲みながら広がり、鼻下にもシミが認められるようになります。
年齢としては30歳から40歳が多く、出産を契機に生じることが多いとされています。
逆に、閉経後には目立ちにくくなることが多いです。
◎内服薬にも使われるトラネキサム酸が効果的だと言われています。
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日光性色素斑(そばかす)
子供の頃から生じます。
思春期頃に一番目立つようになります。
肝斑との区別は難しいですが、最初から鼻の上にもシミがあることが見分けるポイントになります。
春から初夏になると色調が濃くなることがあります。
◎ビタミンとL-システインが効果的だと言われています。
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後天性真皮メラノサイトーシス(両側性遅発性太田母斑様色素斑)
頬骨あたり、おでこの外側、小鼻に生じることが多く、頬部では粒状ですが、おでこの外側では面状になります。
肝斑と異なり、まぶたの皮膚にも生じる「あざ」です。
◎素人には見分けがつかない厄介なシミで、レーザー照射など皮膚科での治療がおススメです。
脂漏性角化症
◎炭酸ガスレーザーや液体窒素などを用いて除去するのが一般的です。
◎ヨクイニンの内服もおススメです。
炎症後色素沈着
強い刺激を繰り返し与えることによって、皮ふ組織が変容します。
男性の髭剃り跡にできるものや、ニキビや皮ふ炎症後にできるものを指します。
個人差が大きく、出ない人もいるようです。
◎ハイドロキノンなどの塗り薬が効果的だと言われています。
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しみの種類 | 発症時期 | 予想される経過 |
老人性色素斑 | 中年以降 | 生涯続く |
肝斑 | 30歳~40歳 | 閉経後に薄くなる |
雀卵斑(そばかす) | 3歳頃。思春期に目立つ | 30歳頃から徐々に薄くなることが多い |
対称性真皮メラノサイトーシス | 思春期前後 | 加齢とともに濃くなる |
脂漏性角化症 | 中年以降 | 皮ふの老化現象 |
炎症後色素沈着 | いつでも | 個人差が大きい |
圧倒的に多いのは、老人性色素斑と肝斑で90%を占めるといいます。
シミを改善していくには
シミは、「血」の質と、循環の悪さが関係しています。
主には「肝」の働きが弱くなると、血の巡りが悪くなり、シミができやすくなります。
また、年齢と共に「腎」の働きが弱くなると、ホルモンバランスが乱れやすくなり、シミや肝斑ができやすくなります。
ターンオーバーの不調や、紫外線の影響が多いのが特徴です。
※ 「肝」の働き・・・循環・代謝・発散・排泄・解毒などをコントロールする、血液を貯蔵する、など
※ 「腎」の働き・・・生殖や成長発育、老化のコントロールする、水分代謝を調節する、など
シミを改善していく心得として
①シミを生み出さないカラダづくりをする。
②ターンオーバーを活性化させ、肌力を上げ、しっかりと潤った状態にする。
③紫外線対策をしっかりやる。
④サプリなどによるカラダの内側のケアと併用して、スキンケアしていく。
まずは、自分の肌質、体質を認識しましょう。
普段の生活、食べもの、癖、外に出ている時間、就寝、ホルモンバランス・・・。
大切なことは、たった一つ。
どれだけ自分を大事に思っているか・・・に尽きてしまうのです。
カラダ全体の見直しを意識して、お肌に負担をかけないようにしてあげましょう。
シミ対策には、ターンオーバー(28~40日周期)が深くかかわってきます。
時間をかけて、根気よく続けるケアが必要です。