乾燥肌とは
肌の保湿要素が減少して、角質層内の水分量が低下した状態を乾燥肌といいます。
潤いが不足しているので、肌のカサつきやシワなどが表れやすくなります。
乾燥がひどくなると、肌表面が白っぽく粉を吹いたり、かゆみや刺激をともなうこともあります。
肌の乾燥は、スキンケアも大切ですが、カラダの中から潤すことも大切です。
乾燥肌の症状と原因
健康な肌の表面は、皮脂腺からの脂成分と汗の成分が混ざり合った皮脂膜で覆われていて、弱酸性(pH4.5〜6)の状態です。
この天然の皮脂膜が肌の乾燥を防いでいます。
角質層を覆う皮脂膜のpHがアルカリ性に傾いても、乾燥肌になります。
洗顔をすると、一度アルカリ性に傾きますが、健康な肌の場合、自然と弱酸性に戻っていきます。
ポイントは、洗顔後の回復機能にあり、普通肌に比べて、乾燥肌の回復時間は約3倍かかると言われています。
この回復機能を補うためにも、洗顔や入浴後のスキンケアはとても大切なのです。
乾燥性敏感肌
間違ったお手入れや気温の変化、紫外線などのダメージによって、角質層がはがれ落ちやすくなったり、隆起などを起こします。
そこから肌の水分が必要以上に蒸発し、乾燥が進んで刺激を受けやすくなっている状態です。
洗顔後のピリピリや髪の毛の毛先が触れた時のチクチクは、乾燥によって肌が敏感になっているから。
乾燥性脂性肌
一見テカリでうるおって見える肌ですが、実は内側が乾燥している状態です。
「混合肌」と同じ区分にあり、カサつく部分とベタつく部分が混在していますが、ベースにあるのは乾燥肌です。
乾燥による肌のバリア機能の低下で、皮脂の分泌量が乱れています。
脂性肌? 乾燥性脂性肌??見分ける手順
①いつも通り洗顔を行う。
②タオルで水気を拭き、化粧水などはつけずに少しの間放置する。
脂性肌の人・・・肌の突っ張り感もなく、顔全体が徐々にテカテカしてきます。
乾燥性脂性肌の人・・・はじめに肌が突っ張る感じがして、だんだんとテカリがでてきます。
超乾燥肌
乾燥肌がさらに進行した状態が超乾燥肌です。
粉ふき肌ともいわれます。
洗顔後に強いつっぱり感があったり、肌が白い粉をふいたようになり、ポロポロと剥がれるなどの症状があります。
季節やストレスによって、痛みを感じることも。
加齢性乾燥肌
加齢とともに起こる肌のバリア機能低下が、乾燥を招きます。
肌を保湿する皮脂や汗、肌の保水力に重要なセラミドやコラーゲンの分泌量の減少が原因です。
乾燥肌になりやすい体質
この体質の方は要注意です!!
◎水分が不足して、カラダ全体が乾いている状態です。顔色も悪く、髪も抜けやすいと言われています。
◎血の不足で、栄養が肌まで行き届かず、肌自体の力が弱まってしまいます。
乾燥肌になりやすくする要因
◎心理的疲労、ストレスを抱えやすい
◎栄養の偏りなどによるビタミン類の不足
◎肌質に合わないスキンケア
◎ターンオーバーの乱れ
◎加齢による肌のバリア機能低下
などがあげられます。
また、乾燥肌をつくりやすい心の状態もあります。
ストレスを抱えたり、不安になると、そればかりをループさせて考えてしまう。
行動しはじめると、キリがいいところまで止まらない。
何かに依存する傾向が強く、それがなくなると不安になる。
ちょっとしたことで驚きやすく、ビクビクしてしまう。
イライラしやすく、なかなか収まらない。
など、不安を感じることが多く、押し潰されないように気を張り続けて、疲れているかもしれません。
漠然としている不安を明らかにしてみましょう。
何に対して、どんな懸念をしているのかを明らかにすれば、対策を立てることに意識を向けられます。
解決していく意識を持つことで違ってくるかもしれません。
乾燥肌のケア
乾燥肌は、うるおいを守ることが一番大事!
うるおいを守って、ターンオーバーを正常にするケアを心がけましょう。
間違ったスキンケアしていませんか?
◎入浴も洗顔も、温度が大切。
熱いお湯での洗顔や入浴は、肌に必要な脂質を奪います。
洗顔はぬるま湯で行う、42℃以上のお湯での入浴はしないことを心がけましょう。
◎肌の摩擦を減らす。
洗顔の際にゴシゴシとこすって洗う、体をナイロンタオルなどで強くこすって洗うなどの摩擦は、肌にダメージを与えます。
顔も体もゴシゴシこすらず、泡で優しく洗うようにしましょう。
「洗顔の基本を知って美肌になろう!!」で、ぬるま湯の温度を含め、紹介しています。
◎洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使っている。
洗浄力が強いクレンジングや洗顔料は、その分、肌に必要な皮脂やうるおい成分を取りすぎて、肌の乾燥を招くこともあります。
洗顔料は、洗浄力がマイルドなアミノ酸系や両性界面活性剤を洗浄料として使っている洗顔料がおススメです。
成分表に「ココイルグルタミン酸Na」や「ラウロイルメチルアラニンNa」などのアミノ酸系の成分、または、「ココアンホ酢酸Na」や「コカミドプロピルベタイン」などの両性界面活性剤の成分があると洗浄力がマイルドです。
クレンジングについては「クレンジングの方法と選び方」で紹介しています。
保湿や低刺激などを考慮して選びましょう。
◎肌に必要以上の油分を与えている。
肌は、外側から必要以上に油分が補われると、皮脂分泌機能が低下するといわれています。
適度な油分で、うるおいを逃がさないケアをしましょう。
UVケア
紫外線でダメージを受けた肌は、バリア機能が低下し、乾燥します。
日焼け止めは低刺激のものを選び、季節を問わず、しっかり紫外線対策しましょう。
冷房・暖房による空気の乾燥
エアコンは、空気中の水分も一緒に吸収する仕組みになっているので、冷房・暖房問わず、長時間の使用で空気が乾燥します。
湿度が50%以下になると、空気が乾燥している状態です。
空気が乾燥すると、肌も乾燥しやすくなり、バリア機能が低下します。
加湿器を使うなどして、部屋の湿度を肌にとって理想的な60~65%にできるよう工夫しましょう。
食生活を見直す
乾燥肌は、カラダの中の血と水の不足から起こります。
血を増やす食材で、レバーやホウレン草などの鉄分を多く含むものがおススメ。
食べものを消化する力も弱まっている場合や、もともと胃腸が弱い体質の場合もあるので、少量を回数増やして食べることも意識してみるといいでしょう。
◎カラダを冷やす食べ物、生ものやアイスクリームなどは控える。
◎できるだけ多種類のものを食べるようにし、少ない量で回数を増やして摂るようにする。
◎タンパク質を多めに取り、動物性(肉類)と植物性(大豆など)を合わせて食べるようにする。
◎滋養強壮効果の高い食材(牡蠣・すっぽん・うなぎなど)を取り入れる。
◎良質のはちみつを摂る。
など、食生活を見直して、乾燥しにくい肌をつくっていきましょう。
乾燥肌を改善していくまとめ
◎熱いお湯、ゴシゴシ洗いは厳禁
◎顔を拭くタオルは清潔で柔らかいものにし、水分を吸わせるように肌にあてて使う
◎洗顔後は、間を置かず、弱酸性のローション、化粧水などで十分なうるおいを与える
◎日頃からバランスの良い食事を意識する
◎ゆったりした運動を取り入れる(ヨガ・ストレッチ・太極拳など)
◎良質な睡眠のため、寝る1時間ほど前からは飲食を控え、テレビやスマホの視聴を避けてリラックスタイムを取る
◎UVケアを忘れずに
◎部屋の湿度を適度(湿度60~65%)に保つ
いかがでしたか?
足りないものは、補うことです。
血や水は、摂るだけでなく、適度な運動で発散させ、巡りをよくすることが大事です。
良質な睡眠で、回復力は格段に上がります。